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2割閉店のバーガーキング、福井や鳥取では健在 イオンはなくても…
全国の22店が24日から閉店することに悲しむ声があがる「バーガーキング」。記者が働いていた福井では、3年前に「北陸初」の看板を引っ提げてオープンしました。今回の発表を受けて調べてみると、福井よりも人口の多い石川と富山にはいまだ出店なし。さらには、スターバックス空白県として盛り上がった鳥取や隣の島根にはあるのに、中国地方で最多の人口を抱える広島にはゼロ。どういった理由があるのでしょうか。(朝日新聞デジタル編集部・影山遼)
福井にオープンしたのは2016年。JR福井駅前にできた再開発ビルの中に開店しました。当時の新聞を見てみると「北陸初出店のバーガーキングには長蛇の列ができた」(2016年4月29日朝日新聞福井版)の文字が躍ります。記者も実際に取材に行き、「どんな味なのだろう」と待ちわびる福井の人々の姿を写真におさめました。
当時の福井駅前は、いずれも県内1号店だったマクドナルドが2015年に、ミスタードーナツが2016年に相次いで閉店。学生の集う場が失われ、駅前が閑散としかけた状況でした。全国で唯一イオンのスーパーが存在せず、独自性を貫いていた福井に突如として現れたバーガーキングに、学生たちは押しかけました。県庁から近いこともあり、記者も月に2回は通って、何かしらの「ワッパー」シリーズを食べていました。
そんなバーガーキングが、5月31日までに全国99店あるうちの約2割にあたる22店を閉店する計画を明らかにしました。ホームページには、閉店する店の紹介欄に「これまでご愛顧いただき、誠にありがとうございました」の文字が大量に載っています。閉店する店は茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、京都、大阪、兵庫の9都府県に及びます。
ただ、ここで気づくのが、閉店するのは主に人口の多い都府県の店だということ。そもそも、「イオンなし」の福井(人口77万人、全国43位)や「スタバなし」で有名だった鳥取(56万人、47位)など、人口の多いとは言えない日本海側の県には出店して、広島(281万人、12位)といった比較的大きな県にはなぜ出店していないのでしょうか。京都(259万人、13位)からもなくなります。
鳥取では出店当時、「バーガーキング 米子に県1号店 きょう開店」(2015年10月15日朝日新聞鳥取版)と新聞でも大きく取り上げています。隣の島根(68万人、46位)に至っては、県内に2店あります。(人口は2018年10月1日現在、総務省の人口推計の結果から)
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